遺伝子捜査で人間の優劣と生涯が決まる近未来。
夢も希望も閉ざされた若者同士を結びつけたのは、遺伝子売買だった。
学歴社会に疑問を抱く全ての人に送る秀作。

遺伝子の優劣が社会的階層を決定する近未来。

遺伝子操作で産まれた適正者は地位職業の選択の自由が与えられ、自然出産の不適正者は寿命は限られ人生の選択の余地はない時代。

不適正として生まれたヴィンセント(イーサン・ホーク)は宇宙飛行士になる夢を閉ざされ、生きる希望も失っていた。

だが彼はブローカーの紹介で、適正者で車椅子の青年・ユージーン(ジュード・ロウ)のサンプルを手にする事が出来た。

元水泳の選手だった彼は自殺未遂に追い込まれ、サンプルを提供する代わりに身の安全を保障して欲しいとヴィンセントに申し出る。

ヴィンセントはユージーンのサンプルで、宇宙開発事業を手がけるガタカ社の社員として潜りこむのだが・・・

原 題 GATTACA
製作年 1997年
製作国 アメリカ
監督:脚本 アンドリュー・ニコル
製作総指揮 ダニー・デビード
撮 影 スワヴォミール・イジャック
音 楽 マイケル・ナイマン
出 演 イーサン・ホーク(ヴィセント)、ジュード・ロウ(ユージーン)、ユマ・サーマン(アイリーン)、ローレン・ディーン(アントン)、ザンダー・バークレー(レイマー)、トニー・シャループ(ジャーマン)、ゴア・ヴィダル(ジョセフ)、アラン・アーキン(ヒューゴ)


’90年代後半から’10年前半にかけて注目される様になった遺伝子情報を基盤とした 近未来サスペンスです。

映画の冒頭は、車椅子姿のユージーンが自分の遺伝子サンプルを取る姿から始まり、この時点で彼は適合者でありながら生きる希望もなく、誰かに未来を託そうとしているのが判ります。

そこでブローカー・ジャーマン(トニー・シャループ)を通じてやってきたのが、宇宙開発を手がけるガタカ社で清掃作業員として働くヴィンセント。

彼は適合者のサンプルが手に入るのであればと了解します。ですが、ここから彼は命の綱渡りをする事になるのです。

指先の血でDNA検査をする為、目にはコンタクトを指先にユージーンの血をいれヴィンセントはユージーンとしてガタカ社に乗り込んでいきます。

その為ヴィンセントとしての素性は消さなくてはいけないので、毎日焼却炉の様な所で、血液以外のDNAに関するもの垢、爪、抜け毛を擦り落として外出しなければならなくなります。

その後の、二転三転するストーリー展開は目が離せない上に、事件の真犯人の裏にあった真実に観客は驚かされる事になると思います。

この映画の見どころは、遺伝子や出生で人は決められるのかという事です。

ユージーンは、ヴィンセントの夢を叶える後押しに最後にとった行動は、自分の人生の代役が見つかったので安心したという思いもあったのかもしれません。

舞台を近未来に設定し、人生の選択の余地や寿命の選択の余地がなくなる中、虐げられた身分の人間が反旗を翻すという映画は幾つかあります。

この映画と同じ監督の映画ですと富裕層はありあまる寿命と財と持ちいい環境に住み、労働者は限られた時間しか生きられず劣悪な環境しか生きられないため、主人公は時間を奪うべく富裕層の住む町へ殴りこみにいくという『TIME/タイム』があります。

富裕層だけが寿命を伸ばす為に臓器を借りる、臓器のオーダーメイドが出来るという病んだ未来を描いた『レボセッションメン』や『アイランド』もこの映画に似ているでしょう。

瞳孔で個人情報を管理する社会となった近未来からのがれるために、瞳孔を入れ替えて冤罪から逃れる主人公を描いた『マイノリティ・レポート』は、『ガタカ』の設定に似てます。

遺伝子による行き過ぎた個人情報管理に警笛を鳴らすという意味で秀作と呼べる映画です。

「ガタカ」を鑑賞する