泥棒稼業の人生の引き際に迫る誘惑の影。
僅かなミスは命取り、それはプロフェッショナルの掟。
騙し騙されるコン・ゲームの賞杯は、己だけを信じる者だけに授けられる…

富裕層相手にヨットを売るジョー(ジーン・ハックマン)の裏稼業は強盗。
相棒のボビー(デルロイ・リンドー)、便利屋のピンキー(リッキー・ジェイ)、妻フラン(レベッカ・ピジョン)の4人で仕事をこなしてきた。

しかしある日ジョーは強盗に押し入った先の店の防犯カメラに映ってしまう失態を犯す。
彼は強盗稼業に限界を感じ足を洗おうとするが、仕事を斡旋しているミッキー(ダニー・デビート)は、次のヤマがあるのでそれを許してくれない。

ミッキーは自分の甥のジミー(サム・ロックウェル)を次のヤマで仲間に加えれば、引退させてやってもいいというのだが・・・。

ジョーはこのヤマをこなせるだろうか…。

原 題 HEIST
製作年 2001年
製作国 アメリカ・カナダ
監督・脚本 デヴィッド・マメット
製作総指揮 アート・リントン、 ドン・カーモディ
撮 影 ロバート・エルスウッド
音 楽 セオドア・シャピロ
出 演 ジーン・ハックマン(ジョー・ムーア)、ダニー・デビート(ミッキー・バーグマン)、デルロイ・リンドー(ボビー・ブレイン)、サム・ロックウェル(ジミー・シルク)、レベッカ・ピジョン(フラン・ムーア)


ジョーは、このヤマを引き受けず自分の船を売り高跳びをしようと目論むがジミーに横やりを入れられます。

ハックマン演じるジョーは、この計画がハナから巧くいくはずがない、信じるのは己だけと考えていますが、練りに練った作戦で、巧妙に観る側さえも欺いていきます。

金塊を盗む為に妻フランとジミーを、わざと親密にさせ、フランに偽の金塊を盗ませるシーンは、ある意味ジョーがフランに対して自分への愛情を試している様にも見えます。

スイスから金塊を運ぶ為に、受け渡しに使われる場所は、空港や船着場など何箇所かあるものの、そのいずれの場所でもジョーが持っている金塊はフランもしくはミッキーの手に渡りそうになって・・・

フランが泥棒の妻としてジョーを信用していれば、事態は二転三転しなかったろうにと思ってしまう話の展開もいくつかあります。

そんな妻だから、ジョーは、最後の最後まで彼女の愛情をジミーを小道具にして試しますが、この時のハックマン演じるジョーの険しい表情と、サム・ロックウェル演じるジミーの青二才ぶりは対照的。

エンディングは、スカっとする出来になっていると同時に、ハックマンの役者人生を思い起こさせます。

ハックマンは’04年に俳優を引退していますが、この作品が作られたのは’01年。
’90年に心臓発作で急死に一生を得ているので、この映画は彼にとって最後のサスペンスアクションだったのだろうし、引退を覚悟した強盗が人生の高跳びを望む下りは、彼の人生そのものとも言えます。

それを、これから役者として羽ばたくサム・ロックウェルと、監督の妻であるレベッカ・ピジョンが華をそえる形の映画になっているのではないでしょうか。

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