戦後の天才数学者が編み出した理論は、過去150年の論文を覆す画期的なものだった。
心の孤独さ故に編み出した、経済学理論は次第に彼の心を蝕む事となる。
実在した数学者ジョン・ナッシュの生涯の映画化。

時は第二次世界大戦後の1947年米国。
ナッシュ(ラッセル・クロウ)はプリンストン大学の奨学生として入学したが、同期入学のハンセン(ジョシュ・ルーカス)に軽くあしらわれた事もあり、学校生活に馴染めなかった。

授業に出ず、論文も書かないのに大口を叩くナッシュを心配するヘリンジャー教授(ジャド・ハーシュ)だったが、ナッシュは相部屋のチャールズ(ポール・ペダニー)が心の支えだった。

ある日、ナッシュは学生たちが集うバーにブロンドの女学生が女友達と共にやってくる姿を見て、後のゲーム理論の基礎を思いつく。

教授は彼の論文を見て驚愕。
150年前の論文を覆すものだとし、ナッシュの望むウィーラー研究所への就職斡旋する・・・

原 題 A BEAUTIFUL MIND
製作年 2001年
製作国 アメリカ
監 督 ロン・ハワード
脚 本 アキヴァ・ゴールドマン
製作総指揮 カレン・ケーラ
原 作 シルヴィア・ネイサー
撮 影 ロジャー・ディーキンス
音 楽 ジェームス・ホーナー
出 演 ラッセル・クロウ(ジョン・ナッシュ)、ジェニファー・コネリー(アリシア・ナッシュ)、エド・ハリス(パーチャー)、クリストファー・プラマー(ローゼン医師)、ポール・ペタニー(チャールズ)、アダム・ゴールドバーグ(ソル)、ジャド・ハーシュ(ヘリンジャー教授)、ジョシュ・ルーカス(ハンセン)


ナッシュが統合失調症を煩ったのは、大学入学時。
おそらく引き金となったのは、自分と生活ペースも性格も全く異なるハンセンが同期だった事があったのではないかと思われます。

その証拠に、彼は自分の中に『理想のルームメイト』であるチャールズを作り上げ、研究に没頭し下界との接触を頑なに拒んでしまうのです。

ハンセンに悪気があるのではないのですが、映画はナッシュ目線で描かれているので、彼の様に、心が繊細ながら天才的能力を持つ人間にどう接すればよいのかが映画を通して判る様になっています。

彼の功績であるゲーム理論と冷戦下にある米国への恐怖概念が、ナッシュの中で、パーチャー(エド・ハリス)の存在となり現れます。
そんな中、彼の人生に『リアルな人間関係を構築する存在』として現れるのが、MITの教え子であり、妻となるアリシア(ジェニファー・コネリー)です。

ナッシュは、数学理論を覆すゲーム理論を発表し、一流工科大の教鞭を取り傍らから見れば、順風満杯の人生なのですが、天才であり繊細な心が故に講義に集中できなくなります。
そしてナッシュは、数々の奇行から統合失調症と診断されてしまうのです。

チャールズもパーチャーもいないとナッシュに認めさせる荒療治が、結局リバウンドしてしまうシーンは、見どころであると同時に辛いシーンでもあります。

実在したナッシュは、演じたラッセルよりは細面で、似ていない面もありますが、老齢になってからのナッシュを演じるラッセルは、演技力で彼自身に迫ったのではないでしょうか。

天才と言われた人間でも完璧ではなく、周囲の人間がどの様に理解し、接するべきなのかを名優と、名監督が伝える映画だと思います。

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