世界36ヶ国から指名手配を受け14国籍を使い分け、人の心を操る天才である元CIAエージェント、トビン・フロスト。
全てを疑え、何も見逃すな。
彼が新米エージェントに託したものとは何だったのか・・・?

CIAの新米職員マット(ライアン・レイノルズ)は、ケープタウンで、滅多に使われることのない、セーフ・ハウス(CIAの要人の隠れ家)の客室係をしている。

転属希望を上司のデヴィット(ブレンダン・グリーソン)に出し続けも通らない漫然とした日々を打ち破る出来事が起きた。

CIAアフリカ支局長・リンクレイター(ヴェラ・ファーミガ)が、思いもよらぬ『要人』を護送してきた。

彼の名はトビン・フロスト(デンゼル・ワシントン)。
36ヶ国から指名手配を受け、14の国籍を使い分け、人の心を操り、機密を売り歩く、元CIA最強のスパイ。

彼が護送された途端、セーフハウスが襲撃され、マットはフロストと共に逃げる事になる・・・

原 題 SAFE HOUSE
製作年 2012
製作国 アメリカ
監 督 ダニエル・エスピノーサ
製作総指揮 デンゼル・ワシントン
脚 本 デヴィット・グッケンハイム
撮 影 オリヴァー・ウッド
音 楽 ラミン・ジャヴァディ
出 演 デンゼル・ワシントン(トビン・フロスト)、ライアン・レイノルズ(マット・ウェイトン)、ヴェラ・ファーミガ(キャサリン・リンクレイター)、ブレンダン・グリーソン(デヴィット・バーロー)、ルーベン・ブラデス(カルロス)、ジョエル・キナハン(ケラー)


フロスト程の人間になると、その気になれば世界中を逃げ回る事も可能だったはずです。
なのにどうして映画冒頭で、CIAのセーフハウスに護送されてきたのでしょうか。

フロストは、護送される前、MI6の裏切り者長官ウェイド(リアム・カミングハム)から、とある極秘ファイルを受け取り、ウェイドからファイルの内容について『このファイルは私たちの世界を狭くしてしまうかもしれない』と警告をうけます。

その直後、ウェイドは殺され、フロストは大使館にかけこんだため、護送されて来たのです。
フロストにとって、大使館に駆け込むのも、セーフハウスに護送される事も、『捕まった』という概念はなく、『逃げるための手段の一つ』である事が、後の映画の展開で判ります。

CIAに連絡をつけておけば、フロストを安心して護送できると思い込んでいるマットに対し、フロストはCIAを信じすぎるなと言わんがばかりにこう苦言を呈します。

『いずれ、お前は長官から『よくやった、後は任せろ』といわれて、気がついたら、すべての罪を被せられる。』
マットは全く同じ状況におかれたことで、フロストの言った事が正しい事が判るのです。

フロストは、マットに対し、何故CIAを見捨てたのかを映画のクライマックスで語ります。

命の代償に対し、高くもない給料、守るほどの価値があるとはいえるかどうかわからない国家、全てに愛想がつきたその事実を語るシーンも見所でしょう。

デンゼル自身、白とも黒ともつかないグレーの役をやりたかったというそうですが、まさしくこの映画はグレーゾーンともいえる役だったのではないでしょうか。

機密を知りすぎたスパイを抹殺する為に、どこが雇ったともいえぬ殺し屋が次々と襲い掛かるという映画は、過去にもあります。

アラン・ドロン、バート・ランカスター、ポール・スコフィールドという豪華な顔ぶれが話題となったスパイアクション映画『スコルピオ』がそうです。

バート・ランカスター演じるベテランのCIA局員・クロスは弟子としてドロン演じる殺し屋・ローリエを従えています。
クロスは戦いに疲れCIAを辞職しようとしますが、内部機密を知りすぎ、スコフィールド演じるKGBのベテランエージェント・ザーコフとも通じているクロスを抹殺すべく、ローリエに命じます。

ローリエは、CIAからの追手を欺きつつ、クロスをしとめようとしますが、その最後は全員が殺されてしまうというものです。

ハンディ・カメラを駆使した映像アクションの作り方は『ジェイソン・ボーンシリーズ』や、この映画にも通じるものがありますので、お勧めです。

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