妻を亡くした失意のコラムニストが買った家は動物園付の家だった。
数ある危機を乗り越え、動物園は開園できるのだろうか。
’07年にダートムーア動物園を開園させた作家・ベンジャミン・ミーの実話を元にした映画。

コラムニストのベンジャミン(マット・デイモン)は、妻キャサリン(ステファニー・ショスタク)を亡くした後、仕事も私生活も巧く行かなくなり失意の底に居た。

会計士の兄ダンカン(トーマス・ヘイデン・チャーチ)は、そんなベンジャミンに新しい家を買うこと薦める。
新米不動産屋のスティーヴン(J・B・スムーヴ)が薦め、子供たちも気に入った最後の物件は、広大な裏庭に動物園がついているという曰くつきのものだった。

元動物公園だったこの家は、閉鎖を余儀なくされていて、家を購入するには、動物園の管理が条件となっていた。

ベンジャミンは、子供たちの為にも動物園の管理に乗り出すのだが・・・

原 題 WE BOUGHT A ZOO
製作年 2011
製作国 アメリカ
監督・脚本 キャメロン・クロウ
製作総指揮 イロウ・ハーツバーグ
原 作 ベンジャミン・ミー
撮 影 ロドリコ・ブリコト
音 楽 ヨンシー
出 演 マット・デイモン(ベンジャミン・ミー)、スカーレット・ヨハンソン(ケリー・フォスター)、トーマス・ヘイデン・チャーチ(ダンカン・ミー)、コリン・フォード(ディラン)、マギー・エリザベス・ジョーンズ(ロージー)、マンガス・マクファーデン(ピーター)、エル・ファニング(リリー)、ステファニー・ショタスク(キャサリン)


実際は、南プロバンスの作家だったベンジャミン氏が母親と暮らす為の家を探し、たどり着いたのが答えが動物園の購入。

プロジェクトを手がけている最中に、妻キャサリンさんは脳腫瘍に倒れ、動物園再開を見る前にお亡くなりになられたという事なのだそうです。

この点を考慮すると、映画はかなりサクセス・ストーリーとして脚色されている面も見られます。

実話では、ベンジャミン氏が、動物園改築に関しての金銭を工面している事が伺えますが、映画ではこの話が別の話にすりかわっています。
ここは、また、なぜベンジャミンの手がけた動物園が土壇場の財政危機を乗り越え動物園を開園させる事ができたのかという見どころのひとつになっています。

ベンジャミンの周囲は、動物園を購入する事には賛成で飼育員のケリー(スカーレット・ヨハンソン)や、動物園の大工・ピーター(マンガス・マクファーデン)らも一丸となって財政困難な中、働きます。

ですが、ベンジャミンの長男ディラン(コリン・フォード)が最初から反対という姿勢も判らないでもないのです。

動物園を買っても母、父親から見た妻への悲しみが癒されるわけじゃないと一番よくわかっている息子と主人公との人間関係も見どころのひとつとなっています。

物事において主観と客観は必ず存在するという事がよく判る場面です。
ベンジャミンはディランに『WhateverとWhy notは言うな』と言いますが、自分自身は家族に対してのみならず、他人に対してもどうだったのか、と考えてしまう場面です。

人間関係や仕事の8~9割は巧くやっていけるのに、あと1割、常に巧くいかない事があるという人には、見どころとなる一作です。

ほんわかしたハッピーエンドものながら父子関係を物語の柱に盛り込んでいる映画です。
この他にお勧めといえば、アダム・サンドラーとダスティン・ホフマンの『靴職人と魔法のミシン』があります。

NYで靴職人を営む家の跡継ぎ息子(サンドラー)は、認知がはじまっている高齢の母親の面倒を看る度に、ある日突然失踪した父親(オフマン)を思い出さずにいられない。
自分たち家族をよく知る隣の床屋(スティーブ・ブジェミ)に諌められる日々を送っている。

そんな彼が先祖代々のミシンで、顧客の靴を直したことから、とんでもない事に巻き込まれていくというおとぎ話です。

最後には、思わぬ方向から、父と息子の和解がまっている映画となります。

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