- 2023-1-4
- サスペンス
- グウィネス・パルトロー, ケヴィン・スペイシー, デヴィット・フィンチャー, ブラット・ピット, モーガン・フリーマン

退職1週間前の刑事と、新米刑事が目の当りにしたのは残虐な手口で次々と命を奪われる連続殺人事件。
犯人が七つの大罪を犯行のモチーフにする意味とは・・・
サイコサスペンススリラーの金字塔。
退職まで1週間になるベテラン刑事サマセット(モーガン・フリーマン)と新米刑事ミルズ(ブラッド・ピット)は、奇怪な連続殺人事件に遭遇する。
ある男は不気味な程太り、食べ物に顔を埋めたまま、ある強欲な弁護士は贅肉の一部を切り取られ殺された。
彼らの傍には犯人が書いたと思われる謎の文字『GLUTTONY(暴食)』そして『GREED(強欲)』が。
サマセットは犯人が『七つの大罪』を、モチーフに殺人を続けていると判断し、捜査の過程でジョン・ドゥ(ケヴィン・スペイシー)という男を割り出すのだが・・・
原 題 | SEVEN/SE7EN |
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製作年 | 1995年 |
製作国 | アメリカ |
監 督 | デヴィット・フィンチャー |
製作総指揮 | ジャンニ・ヌナリ |
脚 本 | アンドリュー・ケヴィン・ウォーカー |
撮 影 | ダリウス・コンジ |
音 楽 | ハワード・ショア |
出 演 | ブラッド・ピット(ミルズ)、モーガン・フリーマン(サマセット)、グウィネス・パルトロー(トレイシー)、ケヴィン・スペイシー(ジョン・ドウ) |
ミルズの設定がトレイシー(グウィネス・パルトロー)と結婚したばかりというのは、当時ブラッド・ピットの恋人がグウィネスだった事も反映していますね。
それだけに、この映画はインパクトがあると思います。
映画が公開された当時、サイコホラーサスペンスというジャンルは確定されておらず、この映画はある意味、このジャンルの金字塔とも言えますし、ケヴィン・スペイシーの演技力が光る映画です。
何故犯行が『キリストの七つの大罪』がモチーフだったのか、それすらもうやむやなまま事件は起こり、過ぎていきます。
これまでの事件解決もののサスペンスは、ある程度起承転結がはっきりしていたのですが、この映画以降、犯人の犯行動機も一般の人々からみれば、グレーゾーンと思えるものが増えました。
第二の殺人以降も、左手首を切られ、舌を噛み切った状態で、一年もベッドに縛りつけられて廃人になったヴィクター(マイケル・レイド・マッケイ)は発見された後、死ぬこととなります。
その横にはSLOTH(怠惰)の文字が。
その後も娼婦が4番目の『LUST(肉欲)』、美人モデルが顔を引き裂かれ自殺した事で、5番目の『PRIDE(高慢)』として処理されてしまいます。
残る『ENVY(嫉妬)』と『WRATH(憤怒)』はというと、思わぬ所からやってくる所は映画最大の見所でしょう。
撮影技術も、『マイノリティレポート』や『マトリックス』で使用された、『銀残し(ブリーチ・バイパス:bleach bypass)』という技術を多様し、コントラストとインパクトのある陰鬱感の高い映像にしている所が映画の雰囲気をよく現しています。
スリリングのあるサイコサスペンスという点で、この映画共々お勧めなのがコリン・ファレルの『フォーンブース』です。
ファレル演じる自称パブリシストの男性が、明日取り壊される予定のNYのフォーンブースの電話を偶然にも取った所から
正体不明の敵に素性を晒されそうになるだけでなく、命も狙われるというサスペンスです。
最後の最後まで、犯人の本当の目的が判らない所も『セブン』に似ています。
犯人の目的が意味不明なまま、連続殺人を犯すという点では、ダン・スティーヴンスが謎のサイコキラーを演じ、
話題となった『ザ・ゲスト』もこの映画と共通するものがあるでしょう。
後味がいい映画とはいえないかもしれませんが、サスペンスとしてのストーリー展開は切り口も斬新で
目が離せない作品ばかりですので、お勧めです。
次に観る映画は絶対コレ!