
自暴自棄になり自宅軟禁を喰らった青年が目の当たりにしたのは、隣に住む殺人鬼だった・・・。
『トランスフォーマーシリーズ』主演のシャイア・ラブーフによるホラー映画。
作家の父を自分の運転による事故で亡くしたケ-ル(シャイア・ラブーフ)は、その日から自暴自棄になっていた。
心無い言葉にカっとなって教師を殴り夏休み中3ヶ月の謹慎を喰らったケール、自宅から30m離れただけで警察が来る監視システムを足に付けられる。
オンラインゲームも母ジョリー(キャリー・アン・モス)に取り上げられ、ケールは退屈しのぎに近所を双眼鏡で覗く日々を送っていた。
そんな彼の唯一の楽しみは、学園のアイドル・アシュリー(サラ・ローマ)が自宅のプールでビキニ姿で泳いでいるのを見ることぐらい。
ある日、ケールは家の裏で血まみれのゴミ袋を引きずる怪しい男ターナー(デヴィット・モース)を見かけるのだが・・・
原 題 | DISTURBIA |
---|---|
製作年 | 2007年 |
製作国 | アメリカ |
監 督 | D・J・カルーソー |
脚 本 | クリストファー・B・ランドンカー |
製作総指揮 | アイヴァン・ライトマン |
撮 影 | クリストファー・ランドンカール |
音 楽 | ジェフ・ザネリ |
出 演 | シャイア・ラブーフ(ケイル)、サラ・ローマー(アシュリー)、アーロン・ヨー(ロニー)、デヴィット・モース(ミスター・ターナー)、キャリー・アン・モス(ジョリー)、ヴィオラ・デイビス(パーカー刑事) |
劇場未公開映画では『グレイテストゲーム』が初のヒット主演作だったシャイア・ラブーフ。
日本ではこの映画が初の主演作としてお目見えする事となりました。
ケールは隣に住むターナーが、世間を騒がす殺人犯かもしれないと思いこみます。
そしてアシュリー、ロニーを巻き込み調査を始めるのですが、アシュリーにターナーを尾行させると早々に勘付かれたりしてしまい、彼らのやる事はターナーに読まれてしまうのです。
ターナーを追っている事は、ケールの母・ジュリーにもばれ、ケールは母親にこっぴどく叱られます。
ですがその後、ケールはロニーがいたずら目的で撮影したヴィデオにより、ターナーが一連の事件と関わりがある事を読み取るのです。
ここから映画の展開が一気に早くなり、『裏窓』、『サイコ』、『シャイニング』など、数々のサスペンスやホラー映画へのオマージュを感じさせる展開が見れる所もこの映画の見どころとなっています。
また映画は郊外の住宅は、もはや人々の夢ではないという『サバービアの憂鬱』も描いています。
一見普通に見えるケールやターナーの家も実は違うという事が、それを暗喩しています。
映画の冒頭部分で、主人公ケールと父親を乗せた車が激しい交通事故を起こすシーンが印象に残る人もいるかもしれません。
監督のD・Jカルーソーは、展開が早く特に車を使ったアクションを得意とする事でも有名な監督です。
その手腕は、この映画の次にシャイアと組んだ『イーグルアイ』で発揮されていると思います。
同じ様なシチュエーションサスペンスで、代表的な古典サスペンスと言えば、ヒッチコックの『裏窓』でしょう。
足を骨折したカメラマン・ジェフ(ジェームス・ステュワート)が車椅子生活となり、カメラの望遠レンズで、アパートの住人を覗き見するようになります。
ある日ジェフは喧嘩が耐えなかった中年夫婦の妻が突然姿を消した事に疑問を抱き、セールスマンらしき夫の怪しい挙動を観察したジェフは妻が殺されたと確信。
恋人リサ(グレース・ケリー)と調査に乗り込むというものです。
主人公像も、ハリウッドの紳士と言われたステュワートと、子役出身のお騒がせ暴れん坊といわれるラブーフですと、同じシチュエーションサスペンスでも意味合いやスリルは違いますので、見比べて見るのもお勧めです。
次に観る映画は絶対コレ!