シンデレラマン(CINDERELLA MAN)

シンデレラマン (CINDERELLA MAN)

古き良き時代の米国、その体1つで家族を支えていた男を襲った怪我と大恐慌。
諦めずに戦い続ける彼を、国民は『シンデレラマン』と呼ぶようになった・・・
実在したボクサー、ジェームス・J・ブラドックの生涯を映画化。

ジェームス・J・ブラドック(ラッセル・クロウ)は、強力な右ストレートを武器にした前途有望なボクサーとして栄光の階段を駆け上っていた。

妻メイ(レニ・ゼルヴィガー)、娘ローズマリー(アリエル・ウォーラー)、息子ハワード(パトリック・ルイス)との生活にも満足し、タイトル奪取も時間の問題かの様に思えた。

しかし、1929年彼の身に不幸が起こる。
命ともいえる右手を負傷したその年に世界恐慌が勃発。
ジム・ブラドックは怪我が完治しないまま試合に出場し、負け続け、マネージャーのジョー(ポール・ジアマティ)の懇願も空しく、ボクサーライセンスを剥奪されてしまうのだが・・・

原 題 CINDERELLA MAN
製作年 2005年
製作国 アメリカ
監 督 ロン・ハワード
脚 本 アキヴァ・ゴールドマン
製作総指揮 トッド・ハロウェル
原 作 クリフ・ホリンクワース
撮 影 サルヴァトーレ・トチノ
音 楽 トーマス・ニューマン
出 演 ラッセル・クロウ(ジム・ブラドック)、レニー・ゼルヴィガー(メイ・ブラドック)、ポール・ジアマティ(ジョー・グールド)クレイグ・ビアーコ(マックス・ベア)、パティ・コンシダイン(マイク・ウィルソン)、ブルース・マッギル(ジミー・ジョストン)、アリエル・ウォーラー(ローズマリー・ブラドック)、パトリック・ルイス(ハワード・ブラドック)

ライセンスを取り上げられても尚、ジムは家族が離れ離れにならぬ様、過酷な日雇い労働にも耐える日々を送ります。

妻メイはジムについていくのですが次男ハワードが病に倒れた時、子供たちを親族の家に預けます。
その時、ジムはプライドを捨て生活保護の列に並び、ボクシング委員会に援助を求め頭を下げに行きます。

自立を求め、去るものを負わない米国人としてはジムの行動はありえないと思えますが、ジムは、つまらない自尊心よりも最後に自分を支えてくれるのが誰なのかというのが
判っていたから出来たのではないでしょうか。

そんな彼に奇跡がついに訪れ、かつてのマネージャー・ジョーが、試合を持ってきてくれたのです。
対戦相手は若手成長株、負けても仕方がないと挑んだジムでしたが、ジムはこの試合だけでなく、勝ち進んでいきます。

ボクシングの道を諦めた時にやった肉体労働がジムの打撃に重みを増している姿は、この世に無駄な事は何ひとつないと思わせる名場面でもあります。

ついにジムはヘビー級世界チャンピオン・マックスベア(クレイグ・ビアーゴ)との対戦切符を手にする事が出来るのです。

対戦前の記者会見でジムは記者に何のために戦いますかと聞かれて『ミルク』と答えます。

子供たちにあげるミルクの為に自分は戦っている。
どんなにお金に困っていても、お前たちをどこにもやらないと決めた父親の決意と行動力が垣間見えます。

そしてタイトルマッチの向こうに見えるドラマは、米国の希望だったのではないでしょうか。

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ボクシング映画は数多くありますが、この映画の様に背水の陣をひき、経済的にも苦境に立たされた主人公が人生の逆転を狙うというボクシング映画では、日本未公開作で『リベンジファイト』があります。

ドミニク・パーセル演じる盛りを過ぎたボクサーは、ガンで余命あと僅かの母親を抱え、妻(ファムケ・ヤンセン)は刑務所に居る。

そんな彼の弱みにつけこんだプロモーターが彼に試合を組ませようとしますが、対戦相手の若者ソロモン(アイザック・スミス)も、また人に言えぬ悩みを抱えていた・・・というものです。

『シンデレラマン』の中でも、主人公の家族に関わる人々が『苦しいのは君たち家族だけじゃない』というシーンがいくつか出てきます。

この映画でも主人公は貧しいのですが、彼を取り囲む人々も、何かをきっかけにあがっていければいいと思う人たちばかり。

明日自分の人生が、何かのきっかけに輝けば、と思う方にお薦めの映画です。
 
次に観る映画は絶対コレ!

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