シービスケット(SEABISCUIT)

ドラマ

大恐慌の嵐吹きすさぶ米国。
人々が希望を託した競走馬『シービスケット』の周りにも同じ様に激動のドラマがあった・・・
NYタイムズのベストセラーをトビー・マクワイア主演により映画化。

自動車ディーラーのチャールズ(ジェフ・ブリッジズ)は、大恐慌時代、乗馬愛好家マーセラ(エリザベス・バンクス)と出逢い、競馬に興味を募らせる。

その時彼は、森で骨折した馬を黙々と治療させているカウボーイ・トム(クリス・クーパー)をみかけ調教師として雇い、競馬のスポンサーになる事にした。

チャールズは名馬の血を引きながら多くの調教師にさじを投げられている馬、シービスケットを買う。
シービスケットの素質を見抜き手なずけられるのは騎手のレッド(トビー・マクワイヤ)だけだった。

しかしレッドは騎手として大きくなりすぎている事と、他にもリスクを背負っていた・・・

原 題 SEABISCUIT
製作年 2003年
製作国 アメリカ
監督・脚本 ゲイリー・ロス
製作総指揮 ゲイリー・バーバー、トビー・マグワイア
撮 影 ジョン・シュワルツマン
音 楽 ランディ・ニューマン
出 演 トビー・マグワイア(レッド・ポラード)、ジェフ・ブリッジズ(チャールズ・ハワード)、クリス・クーパー(トム・スミス)、エリザベス・バンクス(マーセラ)、ゲイリー・スティーブンス(アイスマン)、ウィリアム・H・メイシー(ティックトック・マックグローリー)

本来であれば、レッド、チャールズ、トムの三人は『出会うのが遅すぎた』もしくは商売敵でもある3人だと思います。

チャールズは、大恐慌前にこれからは自動車産業の時代と睨み自動車ディーラーに転向。
しかし思春期の息子を亡くし、妻に去られ、失意の年と大恐慌の中、彼は競馬に出会います。

トムは自動車産業におされた孤高のカウボーイです。
馬の需要が減り、食いぶちを稼ぐ為に西部劇『ワイルド・ワイルド・ショー』の馬の調教師としてドサ周りを続けています。

良きアメリカを体現しつつも、その役が負け犬であるという役はクリス・クーパーによく回ってくる役ではないでしょうか。

レッドは乗馬の才能をカナダ・アルバータの自然の中で磨いていたものの、大恐慌の嵐に巻き込まれ一家離散。
競馬の世界に足を踏み入れたものの不況で、馬上で騎手が殴りあうヤクザまがいのレースだけでなくアマチュアボクシングに手を染めた為、騎手としては致命的な負傷をしてしまう事になるのです。

大恐慌で先の見えぬ中、チャールズはレッドとシービスケットの活躍に期待し、レースを組み続けるのですが、それは彼らを痛めつける結果となります。

しかしチャールズはかつて馬の治療をしていたトムから『命あるものを見捨てるわけではない』と教わっているので、彼らがあわや再起不能になっても見捨てず最後まで信じている所が、希望のラストに繋がっているのだと思います。

この撮影の合間に『スパイダーマン』の撮影が入ったマグワイヤは、体型を変えるため、かなりハードなウェイトコントロールをしたそうです。

騎手に見えるトレーニングも5週間で身につけた賜物なので、これも見どころの1つでしょう。

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大恐慌時代に、バックグラウンドが違うもの同士が支えあい、時代の希望となった実話といえば、実在するボクサーを題材にした『シンデレラマン』が引き合いに出されると思います。

これと同時に赤狩りの時代に圧倒的支持率を誇る大統領に立ち向かったアンカーマン、エド・マローとCBSキャスターの戦いを描いた『グッドナイト・アンド・グッドラック』もこの映画に通じるのではないでしょうか。

どんなに頑張って成果を出しても時勢、時代に味方されない。そんな時であっても希望やチャンスは奪われるわけでない事を教えてくれる映画だと思います。
 
次に観る映画は絶対コレ!

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