ティアーズ・オブ・ザ・サン(TEARS OF THE SUN)

アクション

任務を終えた俺たちが救うのは1人のはずだった。
救うのは70人、敵は300人、俺たちは7人。命令違反と言われたあの日から23年。
それでも守りたかった命とは・・・

ナイジェリアでは、米国が支援するキリスト教系現職大統領を含むイボ族と、フラニ族などが率いるムスリム・反米の反政府軍との間で民族問題、石油利権を巡り対立が激化していた。
ついに反政府軍がクーデターを起こし政権は交代。

安全の為に、米軍は在ナイジェリアの米国人の引き上げを要請。
米海軍特殊部隊SEALのウォーターズ大尉(ブルース・ウィリス)は『国境なき医師団』の1人として、現地に派遣されてきたリーナ(モニカ・ベルッチ)の引き上げの任務を受け部下と共に現地のジャングルへ向かう。

しかしリーナは自分だけが救出される事を激しく拒み、難民も救出して欲しいと懇願するのだが・・・

原 題 TEARS OF THE SUN
製作年 2003年
製作国 アメリカ
監 督 アントワーン・フークア
脚 本 アレックス・ラスカー
製作総指揮 ジョー・ロス
撮 影 マウロ・フィオーレ
音 楽 ハンス・ジマー
出 演 ブルース・ウィリス(ウォーターズ大尉)、モニカ・ベルッチ(リーナ)、コール・ハウザー(レッド)、イーモン・ウォーカー(ジー)、ジョニー・メスナー(ケリー・レイク)、ニック・チンランド(スロー)、チャールズ・イングラム(シルク)、ポール・フランシス(ドク)、チャド・スミス(フリー)、フィオヌラ・フラナガン(シスター・グレイス)、トム・スケリット(ビル・ロード大佐)、アーサー(サミ・ロティビ)

元々『ダイ・ハード4.0』の企画として持ち上がった題材のこの映画。
9.11同時多発テロの後という事もあり、別映画として仕切りなおしたという背景があったそうです。

映画が公開されたのは2003年ですが、現在ではこの様に米軍を美化した作りの映画はあまりお目にかかる事はなく、ましてや正反対の立場の映画が殆どだという事は、
米国が現状に目を向け始めたという事ではないでしょうか。

映画の見どころであり、話のカギとなるのは、何故リーナは頑なに自分だけが救出されるのを拒んだかという事です。
彼女が自分ひとりだけ救出される事を拒んだ理由をウォーターズ大尉は、現地の人への慈悲だと思っていました。
彼女が国境なき医師団の一員であるが故の単なる要請だと思っていたのです。

ですが、それ以上のある理由が明らかとなった時、、
リーナ要求を通す為に、ウォーターズ大尉は23年間命令推敲率100%という名誉を破る事となります。
話が進むにつれその理由が明らかとなってきます。

ラストにウォーターズ大尉は軍としての命令違反を犯してまで行なった作戦に自分についてきてくれた部下に畏敬の念を表し、そしてヴェトナム戦争の時に失った感情を取り戻したという所も見どころでしょう。

監督は『トレーニング・デイ』でデンゼル・ワシントンにオスカーをもたらした、アントワーン・フークア。
臨場感にこだわる監督は、政治的背景上、アフリカでの撮影が不可能と知ると、ハワイでの撮影を敢行。
アフリカからわざわざエキストラを呼び寄せ、臨場感を出したのだそうです。
エキストラの方の中には、当時の内戦やクーデターを経験した方もおられたという事も、映画に貢献しています。

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同じくナイジェリアを舞台にした、マシュー・マコノヒー主演、ダーク・ピットシリーズの『サハラ~死の砂漠を脱出せよ~』がお好きな方には、この話のストーリー展開は納得いただけると思います。

アフリカの内戦や紛争を題材にした映画は『ホテルルワンダ』、『ブラッドダイヤモンド』など、シリアスで事実に迫るものが多く、米国兵の戦いを描いたものも『アメリカン・スナイパー』や『ローン・サバイバー』など実在の兵士の心理に迫ったものが観客に好まれる様になりました。

米軍兵バージョンの『7人の侍』という受け止め方もいいと思います。
 
次に観る映画は絶対コレ!

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