パッセンジャーズ(PASSENGERS)

パッセンジャーズ (PASSENGERS)

鍵となるのは、飛行機事故で生還した5人の乗客。
彼らがセラピストに真実を明かす度に、1人また1人と消えていく。
追ってはいけないのは死の真相。
その先にあるのは、恐怖か癒しか?

新米セラピストのクレア(アン・ハサウェイ)は、電話で起こされ、墜落した飛行機から奇跡的に生還した5人の男女のカウンセリング担当に任命される。

クレアは大役を任され、やる気を見せるが、生存者の1人エリック(パトリック・ウィルソン)は、彼女のカウンセリングを拒否した上に、意味深なアドバイスをする。

クレアのカウンセリングは、紆余曲折だった。
ある者は着陸前に爆発があったといい、5人の事故前の記憶は一致しない。
航空会社に問い合わせても操縦士のミスと言い訳がましく言われるばかり。

しかも証言した乗客は次々と謎の失踪を遂げる。
事件の真相はどこにあるのか・・・

原 題 PASSENGERS
製作年 2008年
製作国 アメリカ
監 督 ロドリゴ・ガルシア
脚 本 ロニー・クリステンセン
製作総指揮 ジョー・ドレイク
音 楽 エド・シェアマー
出 演 アン・ハサウェイ(クレア・サマーズ)、パトリック・ウィルソン(エリック・クラーク)、デヴィッド・モース(アーキン)、アンドレ・ブラウアー(ペリー)、ダイアン・ウィースト(トニ)

飛行機事故を取り扱ったサスペンスというよりも、グリーフケアについて考えさせられるファンタジー映画と捉えれば、この映画は、すんなり受け入れられると思います。

何故エリックは事故について1人だけ全く話さなかったのか、初対面のクレアに対し、『手遅れになる前に姉妹に連絡した方がいい。バスに跳ねられるかもしれないから』など、可笑しなアドバイスをしたのか、映画の真相が明らかになるにつれ、ああそうなのかと
納得出来る様になります。

映画の展開やストーリー展開はゆるやか、かつ、捻りを加えてあるので観客も途中までは、この話は『フライトプラン』の様に、操縦士の操縦ミスで飛行機事故が起きた話から派生したと思い込んでしまいます。

しかし映画の意図する所や、1人1人と生還した乗客が消えて居なくなる理由は、映画のクライマックスで、判るのです。

生還した客が失踪した理由が判った時点で、ではクレアは、エリックは、そしてクレアが、この一件について相談し続けた恩師ペリー(アンドレ・ブラウアー)、電話した航空会社の存在について解き明かしていくと、自分自身の心を『救う事』がいかに難しいかがわかる映画かと思います。
そんな迷走する主人公象を感じさせず、自然体で演じる、アン・ハサウェイの演技力もまた見物です。

当時は『ゲット・スマート』のCIA職員、『プラダを着た悪魔』のファッション雑誌の編集員など、美しく目立つ役をオファーされる事が多かった、アン・ハサウェイ。
これは隠れた名作となります。

Recommend

監督は名作『百年の孤独』を世に送り出したガブリエル・ガルシア=マルケスの息子、ロドリコ・ガルシア。

キャメロン・ディアズやホリー・ハンターが出演したオムニバス映画『彼女をみればわかる事』の次に注目を集めたのが、今回紹介するこの作品になります。

人生の岐路に立たされた時もしくは終わりを告げる時に、人は何を思うのかを問う映画作りをする監督として知られています。

そうした意味では、ガイ・ピアース演じる精神科医が失踪した幼馴染の記憶を持つ謎の女性に出逢いトラウマを癒していく『記憶のはばたき』や、過去の交通事故で家族をなくしたショックで記憶を封印した男性の再起を描く、『エンジェルアイズ』や『再会の街で』が好きな方にもお薦めの映画です。
 
次に観る映画は絶対コレ!

関連記事

ページ上部へ戻る