ホワイト・ライズ(WICKER PARK)

サスペンス

ビジネスで成功し地位も名誉も確立した僕の前を横切ったのは、2年前に突然僕の前から姿を消した彼女。
運命のいたずらか、しくまれた事だったのか。
仏映画『アパートメント』を『SHERLOCK』の監督がリメイク。

会社の上司の娘レベッカ(ジェシカ・パレ)との婚約を目前に控えたマシュー(ジョシュ・ハートネット)は、電話をかけにいった先で、そこから走り出る女性の後ろ姿をみつける。
それは2年前に突然自分の前から姿を消した恋人リサ(ダイアン・クルーガー)だった。

彼女が電話ボックスに残したホテルのカードキーを見つけると、マシューは中国に出張予定をずらし、リサを探す事にする。
しかしホテルを訪ねてもリサは不在。

リサを訪ね、ようやく辿り着いたアパートでは、彼女と同じ名前の女性(ローズ・バーン)が住んでいた・・・

原 題 WICKER PARK
製作年 2004年
製作国 アメリカ
監 督 ポール・マクギガン
脚 本 ブランドン・ボイス
製作総指揮 ヘンリー・ウィンタースターン
撮 影 ピーター・ソヴァ
音 楽 クリフ・マルティネス
出 演 ジョシュ・ハートネット(マシュー)、ダイアン・クルーガー(リサ)、ローズ・バーン(アレックス)、マシュー・リラード(ルーク)、ジェシカ・パレ(レベッカ)、クリストファー・カンズ(ダニエル)

映画の結末としては、観る女性によって賛否両論に別れる作品です。
俗にいわれる『こじらせ系』の女性には、偽リサの気持ちにぶれるかもしれません。

愛される自信のない人は、何故マシューの2年前の恋愛がうまくいかなかったのか、誰に邪魔をされたのか、この映画ではっきりと判ると思います。

自分に自信がないといいながら『恋した相手は絶対に自分に振り向くべき』という 偽リサの思い込みが招く一連の悲劇が動かす物語だと思いますし、私たちの日常にも起こりかねない物語だと思います。

2年前引っ込み思案で、恋愛をこじらせた女性が成長して、主人公だけでなく、周囲の人間を巻き込み疲弊させてしまうというシチュエーションを目の当たりにし、恋愛は傍観者で居た方が楽かもしれない、と思う方も多いでしょう。

偽リサは、傍目には得られるものを社会的には恵まれているのですが、愛情面で満たされていないのです。
ですから、マシューやリサ、周囲の人間がうらやましく『ホワイトライズ』で突き進んで周囲を壊してしまいます。

その結果、彼女が幸せになれたかどうか、という事は、映画を観る側の判断に委ねられる作品です。

人生の伴侶に誰を選べばいいのか判らない、うつろう主人公をジョシュ・ハートネットが好演しています。
劇中で彼は宝石商に3つの指輪から選びなさいと言われるシーンがあるのですが、それは、彼の運命の分かれ道と言えたのではないでしょうか。

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見ているだけの片思いの男性を事件に巻き込んでしまうというラブサスペンスでは、『アーティスト』でオスカーを受賞したジャン・ジュダルジャン主演の『海の上のバルコニー』があります。

ジュダルジャン演じる不動産会社社員マルクの前に、古い屋敷の買い取り手代理人として現れた女性は、彼の初恋の女性キャティのはずだったが、実は彼女の正体はマルクに恋しながらも告白できずに居た女性で、父親の借金を返すために、金を騙し取ろうとしていた女性だった、というものです。

この映画もまた彼女の『ホワイトライズ(白い嘘)』に気づき赦すものですが、『ホワイトライズ』程、女性側の行いが賛否両論別れるわけではないので、お勧めできる一作ともいえます。

恋愛がどうもうまくいかないわという時の、原因究明、対策を考えた後、前に進む為に見るのにもお勧めの映画になります。
 
次に観る映画は絶対コレ!

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