ミリオンダラー・ベイビー(MILLION DOLLAR BABY)

ドラマ

家族に愛されなかった娘、家族に見放された男が自分たちを突き放した社会に挑むのは今。
そして家族から得たかったものは何か・・・。
名優クリント・イーストウッドが送る珠玉の名作。

元ボクサーのフランキー(クリント・イーストウッド)は、カットマン兼トレーナーを経て、LAのダウンタウンにある小さなボクシングジム『ヒットピット』を開く。

現役時代からの彼の相棒エディ(モーガン・フリーマン)は、タイトルマッチを避け、挙句の果てに所属選手に逃げられる保守的なフランキーの采配を黙ってみているしかなかった。

ある日『ヒットピット』にボクサーを目差したいと1人の女性・マギー(ヒラリー・スワンク)が訪れる。
ボクサーを目差すには遅すぎる年齢、しかも女性という事で見向きもしないフランキー。

しかし背水の陣をひき練習に挑むマギーは瞬く間に成績を残していく・・・

原 題 MILLION DOLLAR BABY
製作年 2004年
製作国 アメリカ
監督・音楽 クリント・イーストウッド
脚 本 ポール・ハギス
製作総指揮 ロバート・ロレンツ
原 作 F・X・トゥール
撮 影 トム・スターン
出 演 クリント・イーストウッド(フランキー)、ヒラリー・スワンク(マギー)、モーガン・フリーマン(エディ)、アンソニー・マッキー(シャウリール)、マイク・コルター(ビッグ・ウィリー)、マイケル・ペーニャ(オマー)、ジェイ・バルシェル(デンジャー)

マギーは最初、エディから中古のスピードバックを貰い、ウェイトレスをしながら練習をします。
でもフランキーは、マギーが来た日に入れ違いに引き抜かれたビッグ・ウィリー(マイク・コルター)がタイトル・マッチで勝つまで彼女の存在すら認めようともしないのです。

その時にマギーは言います。
また一年たった。13の時からウェイトレスをやってる。知ってる? 弟は刑務所、妹は不正に生活保護を受けている、母親は145キロのデブ。 本来なら中古のトレーラー暮らしなの、これしかない。

彼女はフランキーなら自分を育ててくれると思い、飛び込んでいったのですが、劇中でフランキーは『良かれ』と思って、彼女にした事がことごとく『裏目』に出ます。

成績を上げるマギーを見て、彼女をなじみのマネージャー・サリー(ネッド・アイゼンバーグ)に紹介するものの、マギーは別の試合を有利に組む為に強豪と組まされていた事が発覚。

フランキーが『オレの選手だ!』と引取っていく姿は見どころです。

英国タイトルマッチの後マギーは家族の為に家を買うのですが、母親や妹には、信じられない様な悪口雑言を吐かれてしまいます。

自立して違う人生を歩む事が全てと信じるマギーと他力本願な、その他の家族の面々の決裂の時を描いた場面でもあるシーンです。

家族と決裂したマギーからボクシングを取れば何も残らない、というよりもフランキーとの時間を取ってしまうと何も残らなかったのではないでしょうか。

マギーがフランキーを通して欲しかったのは地位や名誉ではなく埋められない愛情だったという事が感じられる一作です。

Recommend

ボクシングや格闘技など戦う事を通して、親兄弟への愛情を取り戻していく、というものであれば、有名な作品ですと、マーク・ウォルバーグとクリスチャン・ベールの『ザ・ファイター』が挙げられます。

実在したボクサー、ミッキー・ウォードとかつては名声を誇った兄ディッキー、その病んだ家族と貧しさを描き出した様はこの映画に通じるものがあります。

また劇場未公開作品では、近年注目を集めているトム・ハーディーが総合格闘技の選手を演じる『ウォーリアー』があります。

ニック・ノルディ演じるアル中の父親の為に一家離散に追いやられ海軍入隊し除隊後、亡くなった軍の同僚の家族に仕送りをする為に格闘家になる次男をハーディが演じています。

ジョエル・エドガートン演じる家族を持つ長男と優勝賞金をかけて対決する所が見どころで、愛すべき人、家族の意味を確認したい方にお薦めの映画です。
 
次に観る映画は絶対コレ!

関連記事

最近の記事

TOP