崖っぷちの男(MAN ON A LEDGE)

サスペンス

高級ホテルの高層階に立つ男が指名したのは、一年前に交渉をしくじった女刑事。
男がダイヤ強奪の冤罪をかけられていた。
冤罪が晴れるとき、男すら知らない事実が明らかになる。

元刑事のニック(サム・ワーシントン)は時価30億のダイヤ強奪の罪で懲役25年の刑を下されていた。

脱獄不可能といわれる刑務所に収監された彼の面会に行った元相棒のマイク(アンソニー・マッキー)は、ニックに彼の父親の危篤、そして訃報を知らされ、葬儀に参列する事に。

ニックは何を思ったのか葬儀の最中に脱走し、NYルーズベルトホテルの高層階に現れ、窓枠を乗り越える。

辺りが騒然としてNYPDのジャック(エドワード・バーンズ)が駆けつけるが、ニックは彼に昨年交渉に失敗し、容疑者を死なせた刑事リディア(エリザベス・バンクス)を指名するのだが・・・

原 題 MAN ON A LEDGE
製作年 2011年
製作国 アメリカ
監 督 アスガー・レス
脚 本 パブロ・F・フェンジェブス
製作総指揮 ジェイク・マイヤーズ、デビッド・レディ
撮 影 ポール・キャメロン
音 楽 ヘンリー・ジャックマン
出 演 サム・ワーシントン(ニック・キャシディ)、エリザベス・バンクス(リディア)、アンソニー・マッキー(マイク・アッカーマン)、ジェイミー・ベル(ジョーイ・キャシディ)、ジェネシス・ロドリゲス(アンジー)、エドワード・バーンズ(ジャック)、エド・ハリス(デヴィット・イングランダー)、ウィリアム・サドラー(ホテルのボーイ)、タイタス・ウェリバー(ダンテ)

サム・ワーシントン演じるニックを軸に、様々な思惑のある人間が動きます。

エリザベス・バンクス演じるリディアは、交渉にしくじった一年前から不眠症に悩まされていましたが、ニックの冤罪を晴らすことで、彼女自身も救われていきます。

エド・ハリス演じるダイヤ王・イングライダーの存在は、実は自分の身の保身の為にニックを利用した事、金融危機で破産寸前となった会社を守るために罪を被せた事も明らかになってきます。
元々エド・ハリスは細身なのだが、この役ではさらにギスギスした嫌味な金融実業家という雰囲気を出しています。

弟のジョーイと彼の恋人のアンジーが兄・ニックの為にイングライダーの盗まれたダイヤの行方を追い、兄を助けようとするのに対し、最後の最後までアンソニー・マッキー演じるマイクは、ニックの敵か味方か判りません。

アンソニー・マッキー演じる警察官や捜査官は、組織内の誘惑に惑わされるか、組織が何と言おうと自らの意思を貫く初心貫徹型か、どちらかに判れるので、ここも見所になります。

何よりも意外なのは、ウィリアム・サドラー演じるホテルのボーイである。
彼の役どころは、ウィル・スミスの詐欺師コメディ映画『フォーカス』を見た人であれば、ああ!そうか!と思えるオチになっています。

主役を中心に脇役が、様々な顔色を見せてる所がストーリー展開に面白さを付け加えている映画ですが、先が読めないサスペンスであり、ラストの見事さとヒネりには驚かされました。

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人間の思い込みに挑戦する作品とも言えますが、この作品、公開されたのが、同じシチュエーションで進む映画『ザ・レッジ~12時の死刑台~』の半年後という事もあり、内容を混同している人も多い事が残念です。

あちらは、会社の部下と不倫をした挙句に飛び降りようとした主人公が起こす話であり、この作品の展開と趣旨が異なります。

今回紹介させて頂きました作品の様な意外さという概念ならば、同じサスペンス映画でも『インサイドマン』の展開がお好きな方にお勧めの映画になります。

交渉人を指名し、その先にある悪事を暴くという展開が好みでしたら、ケヴィン・スペイシーの『交渉人』が好きな人にも、お勧めの映画です。
 
次に観る映画は絶対コレ!

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