復讐捜査線(EDGE OF DARKNESS)

サスペンス

一人娘の謎の死を調査する、刑事が見た軍事企業の陰謀とは・・・。
BBCテレビドラマ『刑事ロニー・クレイヴン』を豪華キャスト、俳優で映画化。

ボストン在住のクレイヴン(メル・ギブソン)は、妻に先立たれた刑事。
一人娘のエマ(ボヤナ・ノヴァコヴィッチ)が帰省してくるが、どうも様子が可笑しく、彼女は帰宅早々玄関先で賊に殺されてしまう。

クレイヴンは過去に自分が捜査した事件のせいで娘が巻き添えになったのではと思い娘の遺品を整理してみると、拳銃やガイガーカウンターが出てきた事に不可解な疑問を抱く。

さらに捜査本部はクレイヴンを捜査から外した為、彼は一人で娘の死の謎に迫ろうとする。

クレイヴンはエマが勤務していたノースモア社と環境保護団体ナイトフラワーの関係をつきとめようとするのだが・・・

原 題 EDGE OF DARKNESS
製作年 2010年
製作国 イギリス、アメリカ
監 督 マーティン・キャンベル
脚 本 ウィリアム・モナハン
製作総指揮 ダン・リスナー
撮 影 フィル・メフュー
音 楽 ハワード・ショア
出 演 メル・ギブソン(トーマス・クレイヴン)、レイ・ウィンストン(ダリウス・ジェドバーグ)、ダニー・ヒューストン(ジャック・ベネット)、ボヤナ・ノヴァコヴィッチ(エマ・クレイヴン)、ショーン・ロバーツ(バーナム)、デヴット・アーロン・ベイカー(ミルロイ)、ジェイ・O・サンダース(ホワイトハウス)、デニス・オヘア(ムーア)、ダミアン・ヤング(ジム・パイン)、

BBCの隠れた名ドラマを、メル・ギブソン主演で全く別のイメージに作り変えている所がこの映画の見どころでしょう。

原作のクレイヴンはボブ・ペック主演。
原作に忠実にキャスティングするのであれば、トーマス・クレッチマンや、マイケル・ファスペンダーがクレイヴンになったかもしれません。

監督は『007/ゴールデンアイ』でキレのいいアクションを手がけたマーティン・キャンベル。
設定だけを借りて思い切った作り直しをしたという事が判ります。

何故エマが狙われなくてはいけなかったのか、彼女の勤める会社に問題があったという点は、原案となったBBCテレビドラマとほぼ同じです。

エマが勤めていたノースモア社は政府からの委託で核物質を保管していたのですが、その影で恐ろしい陰謀があり、それは上院議員も巻き込んでいたという事が発覚します。

これらを監督キャンベルと脚本のウィリアム・モナハンは、テレビ程社会派サスペンスにせず、アクションを押し出し描き出しています。

その為テレビと大きく設定を書き換えられたのがジェドバーグだと思います。
テレビではCIA局員のジェドバーグは映画では、この一件の始末屋として描かれるのです。

しかしジェドバーグは、クレイヴンを立ち位置こそ違えぞ正義を目差す所は同じと認め始末しないという所が見どころです。

いわば彼は『クレイヴンの復讐が危なくならない程度に止める役』にもなっている所は面白いところでもあります。

原作ファンと映画と割り切って見る方とで賛否両論ある作りにはなっていると思いますが、映画と割り切る方に、お薦めの映画です。

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捜査に当たるもの全員の立ち居地が白黒つかず、全員グレー。

いつ誰が黒になるかも判らないという、この映画の様な不安定要素を含む代表作として、『裏切りのサーカス』があります。

英国諜報機関『サーカス』に居る二重スパイ『もぐら』を探す為に、ゲイリー・オールドマン演じる幹部に司令が下るのですが、彼もまた上層部に怪しいと疑われている一人だった・・・というものです。

映画の中では、登場人物の立ち居地が二転三転するので、誰が最終的に二重スパイかも判りにくい所があるのも映画の面白みの1つです。

会社の部署内、取引先などで、目差す目標は同じだが方向性が違う人にどうアプローチすればいいのか、そのヒントを探る為に、この映画のクレイヴンとジェドバーグの人間関係は参考になるかもしれません。
 
次に観る映画は絶対コレ!

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