消されたヘッドライン(STATE OF PLAY)

サスペンス

1人の敏腕記者が旧友に見たのは米国を取り巻く社会の闇。
暴くか、逃げるか、もみ消されるか。
『フロスト×ニクソン』で火花を散らす男の戦いを描いたケヴィン・マクドナルドが挑む政治サスペンス。

ワシントン・グローブのベテラン記者・カル(ラッセル・クロウ)は、連続殺人の担当となる。

被害者の中には、カルの旧友で国家議員のコリンズ(ベン・アフレック)の秘書 ソニア(マリア・セイヤー )が居た。

コリンズはアン(ロビン・ライト・ペン)と結婚していたが学生時代からのソニアと恋愛関係を断ち切れず 不倫を続け、メディアは不倫の末の自殺と騒ぎ出す。

だがコリンズは、米国の民間軍事会社・ポイントスコープに対する疑惑を追及しており、彼女が死んだ日は、ポイント・スコープ社の公聴会の日だった。

ソニアの死には何が関係しているのだろうか・・・

原 題 STATE OF PLAY
製作年 2009年
製作国 アメリカ、イギリス
監 督 ケヴィン・マクドナルド
脚 本 トニー・ギルロイ、ビリー・レイ
製作総指揮 ポール・アボット
オリジナル脚本 ポール・アボット
撮 影 ロドリゴ・プリエト
音 楽 アレックス・ヘッフェス
出 演 ラッセル・クロウ(カル)、ベン・アフレック(コリンズ)、マリア・セイアー(ソニア)、ロビン・ライト・ペン(アン)、レイチェル・マクアダムス(デラ)、ジェイソン・ベイトマン(ドミニク)、ジェフ・ダニエルズ(ジョージ)、マイケル・バース(ヴィンガム)、ヘレン・ミレン(キャメロン)、ラデル・プレスドン(ジェシャーン)

映画の冒頭はソニアのバックは麻薬中毒のデジャーン(ラデル・プレスドン)にひったくられる所からはじまります。
デジャーンの彼女が止める中、何者かの手によりその場に居た人間が殺されてしまいます。

カルは、ポイントスコープに関わった人間が皆殺されていく事に疑問を感じながらも記者の名にかけて真相を明かそうとしますが、真相に近づくにつれ、コリンズの身辺に居る人間が全てポイントスコープに関わっていた事が明らかとなってきます。

ポイントスコープ社の様な、民間請負軍事会社の実態の利益工作や、そこに関わる人間の汚さについてはニコラス・ケイジの『ロード・オブ・ウォー』に通じるものがあります。

またポイント・スコープ社の退役軍人や犯罪暦のある人間を安く雇い入れるビジネス方式は、国民を傷つけながら走り続ける暴走機関車状態の米国の現状をよく表現しています。

『大統領の陰謀』ではレッドフォードとホフマン演じる敏腕記者がニクソン大統領降板のきっかけとなる『ウォーターゲート事件』をスっぱ抜きますが、この映画では、まさしく邦題どおりの顛末を迎える事となります。

『ラスト・キング・オブ・スコットランド』や『フロスト×ニクソン』など硬派な作品を手がけた監督ケヴィン・マクドナルドの手腕が光る作品です。
原案は英国BBC『ステート・オブ・プレイ〜陰謀の構図〜(全6話)』で、これをリメイクしたものとなります。
当初はカル役にブラッド・ピット、コリンズ役にエドワード・ノートンがキャスティングされていたそうで、こちらのキャスティングでも観て見たかったと思います。

Recommend

政治サスペンスという点では、ジョージ・クルーニーの『フィクサー』や『スーパー・チューズデイ~正義を売った日~』などが好きな方にお勧めです。

ラストのふがいなさを感じる展開までを考えると、フィリップ・シーモア・ホフカンのサスペンス『誰よりも狙われた男』や、JFKとオズワルドは同じ日に葬儀だったという逸話で終わる『パークランド』が好きな方にもお勧めします。

いずれの作品も、脚本の骨子が確立していて、なおかつ観る側の印象に残り、パンフレットを購入し、何度も観たくなる作品に仕上がっている事です。
 
次に観る映画は絶対コレ!

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