真実の行方(PRIMAL FEAR)

サスペンス

大司教惨殺事件の容疑者は侍者の青年。
担当したのはゴシップに目がない辣腕弁護士。
二転三転する法廷を翻弄している真犯人は何処にいる?
鬼才エドワード・ノートン デビュー作。

冬のシカゴで地元の大司教(スタンリー・アンダーソン)が惨殺される。

大司教のもとで教会のミサを手伝っていた青年アーロン(エドワード・ノートン)が容疑者として逮捕された。
元検事でゴシップに目がない辣腕弁護士マーティン(リチャード・ギア)は、アーロンの弁護を無償で引き受ける。

州知事ショーネシー(ジョン・マホーニー)は、検事にマーティンの元恋人のジャネット(ローラ・リニー)を指名。
マーティンは黙秘権を通す中、大司教の事件に繋がる意外な秘密を発見するのだが・・・

原 題 PRIMAL FEAR
製作年 1996年
製作国 アメリカ
監 督 グレゴリー・ホフリット
脚 本 スティーヴ・シェイガン、アン・ビダーマン
製作総指揮 ハワード・W・コッチJr.
原 作 ウィリアム・ディール
撮 影 マイケル・チャップマン
音 楽 ジェームズ・ニュートン・ハワード
出 演 リチャード・ギア(マーティン)、エドワード・ノートン(アーロン)、ローラ・リニー(ジャネット)、フランシス・マクマーンド(アーリントン)、アルフレ・ウッダード(ミリアム判事)、ジョン・マホーニー(ショーネシー)、スタンリー・アンダーソン(大司教ラシュマン)

ディカプリオを押しのけ、アーロン役をオーディションで勝ち取ったエドワード・ノートン。
彼の出世作でありオスカーノミネーション作です。

リチャード・ギア演じる弁護士マーティンは、この事件を担当し成功すれば名声を得られると思いますが、その時から彼の運命は真犯人に翻弄されていると言えます。

マーティンは、大司教の線から事件を洗いますが、それは悉く事件の真相から外れていきます。

彼は自分ひとりでは太刀打ち行かない事態となり、精神科医アーリントン(フランセス・マクマンドー)や検事のミッチェル(ローラ・リニー)に、最終的には助けを求める事となります。
そこからまず表向きは聖人君主である大司教の裏の顔があぶりだされ、彼に恨みを持つものの犯行である事が明らかとなるのです。

これに伴い、アーロンが事件に関わるある質問をされると暴れだしたり暴言を吐くなどの二重人格が出てくる様になります。
これが引き金となり事件は迷宮入りするのですが、最終的に事件の真実の行方を知るのは誰かのか。
それが判るクライマックスが一番の見どころとなります。

この役の後、エドワード・ノートンは、役のイメージが付くのを嫌い『ラリーフリント』では、この映画でリチャード・ギアが演じた様な辣腕弁護士を演じていますし、『ボーン・レガシー』では冷酷なCIA直属の研究員、『バードマン』では、舞台俳優を演じ、型にはまらない役作りを見せています。

二転三転する展開でも飽きさせないのには、脚本だけでなくこうした俳優陣の演技力もあると判る作品です。

Recommend

物語の展開や、主人公の顛末が似ているという点ではジム・カウィーゼルとアシュレイ・ジャドが共演した『ハイ・クライムズ』がこの映画に似ているのではないでしょうか。

これらの映画が公開された当時『サスペンス映画で事件の被害者は映画の最後まで被害者である』という考えは覆る事はなかったと思います。

この様な主旨で行きますとロザムンド・パイクが主演の『ゴーンガール』のストーリー展開がお好みの方にも受け入れられるのかもしれません。

サスペンス小説を映画化した映画にこの様な展開がここ15年多くなりましたが、これも書き手の趣向や世代の変化が影響しているのだと思います。
 
次に観る映画は絶対コレ!

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