フライト(FLIGHT)

フライト(FLIGHT)
人生を嘘で塗り固めた男の末路とは。
海軍出身のベテランパイロットの人生に綻びが生じた時、彼の人生は乱気流にのみこまれた。
デンゼルが信頼を寄せていた大物エージェントが、彼に最後に持ち込んだ企画。

海軍出身のベテランパイロット・ウィップ(デンゼル・ワシントン)は、妻ディアナ(ガーセル・ボヴェイ)と離婚後、アルコール依存症となり今はコカインも手放せない。

悪天候の中、アトランタに向かう短距離国内線を操縦する任務にも搭乗時間ギリギリまで現れない彼の態度に、マーガレット(タマラ・チュニー)をはじめとするベテランクルーはいつもの事という表情だった。

前方もろくに見えない中、離陸する飛行機。
積乱雲や乱気流を乗り切った後も、スタビライザーの故障に見舞われ絶体絶命の危機に陥った機体をウィップは最小限の被害で食い止めた。

しかし彼の体からアルコールが検出された事により事態は暗転する…

原 題 FLIGHT
製作年 2012
製作国 アメリカ
監 督 ロバート・ゼメキス
製作総指揮 シェリラン・マーティン
脚 本 ジョン・ゲイティンズ
撮 影 ドン・バージェス
音 楽 アラン・シルベストリ
出 演 デンゼル・ワシントン(ウィップ)、ナディーン・ヴェラスケス(カテリーナ)、ガーセル・ボヴェイ(ディアナ)、ブルース・グリーンウッド(チャーリー)、ドン・チードル(ヒュー)、ケリー・ライリー(ニコール)、ジョン・グッドマン(ハーリン)、タマラ・チュニー(マーガレット)、ケン・エヴァンス(ブライアン)


公共飲酒の取締が厳禁となっている米国で、ウィップの様なパイロットが公然の秘密状態で操縦桿を握るという事は、彼の役柄の立場を見て一目瞭然だと思います。

海軍出身の50代のエリートパイロットは、現役ならば国際線を操縦し給与も地位も保障され有給休暇も沢山貰える上、管理職についている人も多いのです。

しかし彼がリスクの高い国内線の短距離パイロットという事は、依存症を黙認する代わりに昇進は一生ないという立場上の冷遇が描かれている事となります。

操縦技術が素晴らしくてもウィップの人間性は素晴らしいとは言えない。

朝は客室乗務員のカテリーナ(ナディーン・ヴェラスケス)の元で目覚めコカインを吸い、電話を取ると元妻から子供を私立に入れたいから学費を工面しろと怒鳴られる。

事件後、彼の才能を惜しんだのは海軍時代の同期で、パイロット組合の幹部のチャーリー(ブルース・グリーンウッド)や、弁護士のヒュー(ドン・チードル)だけ。

ウィップに麻薬を提供していたハーリン(ジョン・グッドマン)は取引相手としか思っていないのです。

そして最後にウィップは、自分に真摯に向き合ってくれたのは誰なのか、依存症に何故向き合わなくてはいけないのか、意外な人物が依存症の会に参加していた事が発覚し、嘘で固めていた自分の人生を崩すこととなります。

仕事に繋がる人間関係や、自分が心地よくなる、メリットがある人間関係さえ大事にすればいい、そう思う人には痛い鉄拳となる映画かもしれませんが、観て損はない、教訓となる映画です。

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デンゼルの映画ならばスゴ腕ながら落ちぶれた元CIA捜査官を演じた『デンジャラス・ラン』や、ヤク中の警官を演じた『トレーニング・デイ』がこの映画の雰囲気に似ていると思います。

いずれも、デンゼルが信頼していた大物エージェントが彼に持ち込んだ企画で、デンゼルが、デビュー当時からずっと演じてきたシドニー・ポワチエの役柄を連想させる『格式高い白人家庭が招きたいと思う良識ある黒人』の役を打ち破る機会にはなったと思うのです。

デンゼル自身ペンシルベニア大で行った卒業スピーチで、『リスクをとらない人生に価値はない』と言っています。

前に進む為に人生のリスクを取りたい、その為にはつらい過去に向き合う勇気がほしい方にお勧めの映画です。

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