マリオネット・ゲーム(BUTTERFLY ON A WHEEL)

サスペンス

キャリアも私生活も順風満杯の男を突然襲った誘拐犯。
誘拐犯の本当の狙いとは?
5代目007ピアース・ブロスナン製作、ジェラルド・バトラー主演、サスペンス・アクション。

シカゴに住む広告マン・ニール(ジェラルド・バトラー)は、公私好調で昇進を目前に控えていた。
この日はニールは会社の上司の別荘に招待され、妻アビー(マリア・ベロ)は友人と会う予定なので、娘ソフィー(エマ・カーワンディ)をベビーシッターに預け2人で車に乗る。

が、車の後部座席に隠れていたトム(ピアース・ブロスナン)がニールに銃を突きつけた。
言う通りにしないと、ベビーシッターに電話して娘を殺すと。

2人はトムの言うとおりに預金を引き出すのだが・・・

原 題 BUTTERFLY ON A WHEEL
製作年 2007年
製作国 カナダ,イギリス
監 督 マイク・バーカー
脚 本 ウィリアム・モリッシー
製作総指揮 ボー・セント・クレア
撮 影 アシュレイ・ロウ
音 楽 ロバート・ダンカン
出 演 ジェラルド・バトラー(ニール)、マリア・ベロ(アビー)、ピアース・ブロスナン(トム)、クローデット・ミンク(ジョディ)、エマ・カーワンディ(ソフィー)、ニコラス・リー(ジェリー)、ピーター・ケレハン(カール)

ブロスナンが製作に携わっている上、彼の憎めない悪役ぶりも見どころの1つです。

バトラー演じるニールに、トムは預金を引き出す様に命じ、トランクに入ったその預金を燃やし、橋の上から見せしめ同然に捨て、、カードも財布も取り上げます。
さらにトムは彼らに高級レストランで飲食代を工面しろと命じるのです。

ここで観客はブロスナン演じるトムの目的が、ニールを脅すというよりも本性を暴く事だった事に気づくと思います。

先立つものさえなくなっているのに、高級レストランでのニールの不遜な態度、そして金を工面する為にアビーと共に質屋に行った時の態度から、彼の内側に持つ本来の性格が露見してきます。

それと対比する様に、トムはこの一件さえなければ凶悪犯でなかったのではと思わせるシーンも出てくるのです。

とどめにトムはニールに今日行く予定だった上司の別荘に行って上司を殺せと命じます。
そこで待っていたのは思わぬ人物。

全てを知った上、往生際の悪い言い訳をする夫に対し妻のアビーは『私の心はここにはない』と言い放つのです。
これに対するニールの捨て台詞で彼の本性は明らかとなります。

この当時だからこそ実現したビック・ネームが揃ったキャスティング、練られた脚本ながら、劇場未公開扱いとなっているのは、この当時公開されたバトラーの出演作も関係しているのではないでしょうか。

2007年のバトラーの劇場公開作といえば『300』や『P.Sアイラブユー』といった、硬軟どちらもバトラーの魅力を判りやすく観客に伝えるものでした。
そこでこの映画の劇場公開は見送られたのかもしれません。

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一見、公私共々順風満杯に見える男性のキャリアや私生活が女性問題を皮切りに足元から崩れていく。

このテーマはここ10年来、女流作家の原作本の映画化や、新しい試みをする脚本家や製作者が出て来てようやく日の目を見る様になりました。

今回の様に、女性側が仕掛け人となる映画で有名な映画といえば『ゴーンガール』が有名です。

ある事情で夫の故郷に帰らざるを得なくなった元キャリアの美人妻が、夫の浮気をきっかけに夫に殺人犯の濡れ衣よりも恐ろしい呪縛をかける映画です。

この映画と反対の立場で、不倫した相手と妻、仕事の三点からがんじがらめになり、全てを失う男の独白劇を映画化したトム・ハーディの『オン・ザ・ハイウェイ』もあります。

どちらの映画も卓越した俳優の演技力が見れる映画ですのでお薦めです。
 
次に観る映画は絶対コレ!

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