リアル・スティール(REAL STEEL)

ドラマ

人間に代わりロボットがリングに上がり格闘する時代。
夢に敗れた元ボクサーの父と、愛を知らずに育った息子を結びつけたのは、ゴミ捨て場で見付かった旧式ロボットだった・・・

時は近未来。
リングの上で戦うのはロボットとなり、いかに高性能で金をかけたロボットと優秀なトレーナーを雇う事が試合勝敗の分け目となる時代。

元ボクサー・チャーリー(ヒュー・ジャックマン)はロボットトレーナーとして生計を立てていた。
借金まみれの彼には三流試合のオファーしか来ない上、ロボットの修理費用も出せない。

ある日、恋人の息子マックス(ダコタ・コヨ)が彼の元にやってくる。
チャーリーはマックスを育てる気などなく邪険に彼を扱う。
父に失望したマックスは、ゴミ捨て場で見つけた旧式ロボットATOMを持ち帰り自分のものにするのだが・・・

原 題 REAL STEEL
製作年 2011年
製作国 アメリカ
監 督 ショーン・レヴィ
脚 本 ジョン・ゲイティンズ
製作総指揮 スティーブン・スピルバーグ、ロバート・ゼメキス
原 作 リチャード・マシスン
撮 影 マウロ・フィオーレ
音 楽 ダニー・エルフマン
出 演 ヒュー・ジャックマン(チャーリー)、ダコタ・コヨ(マックス)、エヴァンジェリー・リリー(ベイリー)、アンソニー・マッキー(フィン)、ケヴィン・デュランド(リッキー)、カール・ユーン(タク・マシド)、ホープ・デイヴィス(デブラ)、ジェームス・レプホーン(マーヴィン)、オルガ・フォンダ(ファラ)

ヒュー・ジャックマンといえば、この作品まで、非の打ち所のない紳士か、不老不死の戦士の役が定番でした。
そんな彼が、負け犬から始まる人生の男を演じるというのは、新たな演技力をつける第一歩だったと思います。

この後公開された『チャッピー』でジャックマンは、企業に認められるロボットを開発できないライバル技師として執念深い役を演じているので、この役はそうした意味でも飛躍になったのではないでしょうか。

そんな彼の演技力も手伝い子役のダコタ・コヨの健気さが引き立つのです。
自分の非を認めない父親をあてにせず彼は、プロモーター相手に『1ラウンドもてば1000ドル頂戴』と、ふっかけていき、チャーリーと二人三脚で戦う姿は注目を浴び、ついに王者・ゼウス戦の前座試合のオファーが舞い込みます。

ゼウスのオーナーで実業家のファラ(オルガ・フォンダ)は、伝説のマシン『ノイジー・ボーイ』を作ったタク・マシド(カール・ユーン)を買収しゼウスを作らせる所を見ると、欲しいものは金で解決する人間です。
その為彼女は試合前にATOMをゼウスのスパーリングマシンとして買収しようとするのですが、マックスは拒みます。

その結果、クライマックスはロボットというよりも、タグとチャーリー、マックスの対決になっていく所も見所です。

劇中のボクシングの動きが偽者にならないように、打撃監修に、5階級制覇した伝説のボクサー、シュガー・レイ・レナードを呼んでいる所もポイントであり、ロボットの迫力やキャラクターを生かすのが『ナイトミュージアムシリーズ』の撮影監督、マウロ・フィオーレです。
解像度の高いモニター、もしくはブルーレイがお勧めの作品です。

Recommend

途中で何度も夢を諦めかける主人公が周囲に支えられ、心の傷を癒していくという映画では同じ脚本家で、キアヌ・リーブス主演の『陽だまりのグラウンド』が好きな方にもお勧めの映画です。

主人公は決して強い訳ではなく、マイナスの要素が沢山ある所から、傷つきながら立ち上がっていく所がこの映画最大の魅力となります。

そうした点では、トビー・マグワイアの『シー・ビスケット』もこの映画に共通する部分はあるかもしれません。

あの時ああしていればよかった・・・そう後悔してしまう事が多く、人生の一歩を踏み出せない時にお勧めの一本です。
 
次に観る映画は絶対コレ!

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