アメリカン・ギャングスター(AMERICAN GANGSTER)

サスペンス

汚れた手で掴んだ名誉、人生を賭けて掴んだ正義。
マフィアはファミリーマンであり、マフィアを追う刑事は家族を顧みなかった。
2人は運命の元に激突する…

時は’70年米国。
フランク(デンゼル・ワシントン)は、ベトナムに出征した米兵の間で麻薬が蔓延している事を知り、バンコクに居る元米兵の従弟のネイト(ロジャー・グウェンデュー・スミス)を通じ麻薬ビジネスを展開させる。

純度100%で値段は半額のヘロイン『ブルーマジック』はハーレムの麻薬市場にセンセーションを巻き起こし、フランクはNYで一財を築き上げる様になる。

一方汚職がはびこるNYPDの特捜グループから正義感が故に干されたリッチー(ラッセル・クロウ)は、司法試験の結果を待っていた。

そんな彼の元に検察官のトパック(テッド・レヴィン)から麻薬捜査官の責任者としての任務をオファーされるのだが…

原 題 AMERICAN GANGSTER
製作年 2007年
製作国 アメリカ
監 督 リドリー・スコット
脚本・製作総指揮 スティーヴン・ザイリアン
撮 影 ハリス・サヴィティス
音 楽 マルク・ストライテンフェルト
出 演 デンゼル・ワシントン(フランク・ルーカス)、ラッセル・クロウ(リッチー・ロバーツ)、テッド・レヴィン(ルー・トバック検事)、ジョシュ・ブローリン(トルーポ)、カーラ・グギノ(ローリー)、マルコム・グッドウィン(ジミー・ジー)、ロジャー・グウェンヴュー・スミス(ネイト)、アーマンド・アサンテ(ドミニク・カッターノ)、キューバ・グッティングJr(ニッキー・バーンズ)、ライマリ・ナダル(エヴァ)、ルビー・ディー(ママ・ルーカス)

映画の冒頭、’60年代後半の米国ハーレム地区。
フランクは黒人ギャングのボス・バンピー・ジョンソンのお抱え運転手をしています。
そこで彼は暗黒街の世渡り術を身に着けていくのです。

ボスはフランクにこう語り憤ります。
『食料品店はスーパーになり、キャンディ屋はマクドナルド。ここはディスカウントストア。
大型店の経営者は何の権利があって仲介業者を切り捨てる。』

しかしフランクは、ボスの憤りからこれから仲介業者は切り捨てられる運命にあると、心のどこかで悟っていたのでしょう。

麻薬ビジネスに参入する時、彼は『ブルーマジック』をタイで作り米軍機で運ぶという、いわゆる中抜きをします。

フランクは、ありあまる金がありながら、うかつな事はせず、身なりも質素にし、私生活ではファミリーマンを心がけていた為に、警察からはノーマークだった様子もこの映画では伺えます。

しかしそんな彼も、モハメドアリの試合を観る為に、奥さんのエヴァ(ライマリ・ナダル)から、プレゼントされた毛皮をご機嫌取りの為に着たために、リッチーに目をつけられてしまうのです。

皮肉にもリッチーが目をつけた時からフランクの麻薬ビジネスはベトナム戦争の終結と共に下り坂を迎える事となります。

リッチーは、フランクファミリーのお抱え運転手ジミー(マルコム・グッドウィン)の弱みを握り脅し、スパイに仕立て、フランクが米軍機をつかいどうやって麻薬を運んでいたのか証拠を掴み取るのです。

映画のラストは、宿敵ともいえるリッチーとフランクが、逆にお互いに救われる関係になっている所が見ものです。

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法に背いてでもなくせない誇りがあるという実在の米国のアンチヒーローを描いた映画はいくつかあります。

その中でも、禁酒法時代に腐敗した警官とギャングがはびこるヴァージニアで、密造酒ビジネスを繰り広げていた実在の兄弟の話を映画化したものが『欲望のヴァージニア』です。

密造酒ビジネスを仕切る三兄弟の無敵の次男フォレスト(トム・ハーディ)や、気力だけは立派な末っ子ジャック(シャイア・ラブーフ)が、冷酷な新任の取締官レイクス(ガイ・ピアース)に立ち向かっていく様は、この映画にもどこか通じるのではないでしょうか。

実在の人物をベースにした映画や、歴史ものが好きな方にお勧めの映画となります。
 
次に観る映画は絶対コレ!

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